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永住申請の収入等に関する新しい審査基準は、2026年10月1日から先行して適用されています。2026年4月1日から9月30日までに申請し、10月1日時点で審査中だった案件も対象です。原則として、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているかが考慮されます。
この記事では、統計上の平均536万円と従来の実務目安を区別し、扶養家族、配偶者収入、転職、貯金が審査にどう影響するかを整理します。年収だけで許可は決まりませんが、申請時期を判断する具体的な材料になります。
2026年10月1日以降は、従来よく使われた「単身で年収300万円前後」という目安だけで申請時期を判断するのは危険です。
出入国在留管理庁の公式案内では、新ガイドライン全体は原則として2027年4月1日以降の申請に適用されます。ただし、第2の4(2)「収入」と第2の5(7)「公共の負担とならないこと」は先行して適用され、2026年4月1日以降に申請し、同年10月1日時点で審査中だった案件も対象となります。
2026年4月1日から2027年3月31日までの申請は、原則として従来のガイドラインを適用し、上記の収入等に関する部分には新基準を適用します。2026年3月31日までの申請には従来のガイドラインが適用されます。申請時期だけでなく、改定日に審査中だったかも確認してください。
| 項目 | 従来の審査・実務上の考え方 | 収入等に関する新基準の考え方 |
|---|---|---|
| 公表された金額 | 一律の最低年収は公表されていない | 固定額ではなく、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準を考慮 |
| 実務上の目安 | 単身300万円前後+扶養1人70~80万円程度 | 世帯収入の継続性を重視。全世帯平均536万円を一律の基準にはしない |
| 判断単位 | 本人年収を中心に世帯状況も確認 | 本人だけでなく世帯全体の収入・扶養人数・安定性を総合確認 |
厚生労働省の2024年調査では、1世帯当たりの平均所得は536万円、中央値は410万円です。ただし、536万円がそのまま法律上の一律合格ラインになるわけではありません。統計値は更新され、家族構成や在留資格の特例によって評価も変わります。
注意:「平均所得を上回れば必ず許可」「下回れば必ず不許可」とは断定できません。永住許可は在留歴、納税・社会保険、素行なども含む総合審査です。
申請を準備する際は、「従来の実務目安」と「2026年10月以降の新しい考え方」を分けて確認します。従来の金額は多くの実務解説で使われてきた目安であり、公表された許可基準ではありません。
| 世帯の例 | 従来の実務目安 | 新基準が適用される申請の確認ポイント |
|---|---|---|
| 申請人のみ | 年収300万円前後 | 単身世帯に対応する日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているか。全世帯平均536万円をそのまま基準にしない |
| 申請人+扶養1人 | 370~380万円前後 | 世帯人数に応じた平均収入との比較に加え、1人を扶養できる可処分所得があるか |
| 申請人+扶養2人 | 440~460万円前後 | 住宅費、教育費などを含め、家計が継続して安定しているか |
| 申請人+扶養3人 | 510~540万円前後 | 平均所得を上回っていても、扶養負担とのバランスを慎重に確認 |
新基準が適用される申請では、従来式へ機械的に70~80万円を足すだけでは不十分です。まず、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているかを確認し、そのうえで扶養人数に見合う生活余力を説明します。
たとえば本人の年収が480万円でも、共働きの配偶者に安定収入があり世帯合計が650万円なら、本人の数字だけで判断するケースとは異なります。反対に年収550万円でも扶養家族が多く、収入変動が大きい場合は追加説明が必要になることがあります。
年収額は重要ですが、入管は課税証明書の数字だけを見ていません。主に次の項目を、複数年の資料から確認します。
一時的に高収入でも、前年まで収入が低い場合や転職直後の場合は、今後も同水準が続くかを説明しにくくなります。反対に年収が大きく変わらなくても、安定就労と期限内納付が継続していれば、家計の予測可能性を示しやすくなります。
必要資料の対象年数は申請区分によって異なります。一般的な就労資格からの申請では複数年の住民税資料を求められるため、直近1年だけ収入を増やしても十分とは限りません。日本人・永住者等の配偶者や高度人材などは、適用される特例と資料範囲を個別に確認します。
家族が多いほど生活費が増えるため、同じ年収でも評価は同じではありません。扶養控除の人数だけでなく、同居家族の実際の収入、別居扶養への送金、住居費などを含めて世帯の生活基盤を確認します。
| ケース | 実務上の確認点 |
|---|---|
| 共働き夫婦 | 配偶者の雇用・収入が継続的で、世帯収入として裏付けられるか |
| 配偶者が無職 | 本人収入だけで家族の生活を維持できるか |
| 海外の親族を扶養 | 海外在住・別居の親族でも、申請人が扶養している場合は、新基準では世帯人数に加算されます。送金額・頻度と国内家計への影響に加え、扶養親族を含む世帯人数に応じた収入水準を確認します。 |
| 子どもが複数 | 教育費などを含めても家計に余力があるか |
日本人、永住者または特別永住者の配偶者・子には、入管法上「独立の生計を営むに足りる資産又は技能」の要件が適用されない特例があります。ただし、生活基盤に関する資料が不要になるわけではなく、世帯収入や納付状況は審査資料として確認されます。
年収が目安に届かない場合、貯金残高だけで不足分を置き換えられるとは限りません。貯金は補足材料になりますが、継続的な生活費を生み出す収入とは性質が違うためです。
書類を集める前に在留資格別の提出範囲を確認すると、古い年度や不足年度の取り直しを防げます。必要書類全体は、「永住権の必要書類チェックリスト」もあわせて確認してください。
536万円は2024年調査の全世帯の平均所得であり、単身者やすべての家族に共通する申請条件ではありません。新基準では、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているかが考慮されます。536万円だけで申請可否を判断しないでください。
配偶者の収入を合算できるかは、在留資格と生計の状況によって異なります。例えば、申請人に扶養される『家族滞在』の配偶者が、資格外活動許可によるアルバイトで得た収入は、新基準では合算対象になりません。収入の安定性に加え、在留資格も確認してください。
貯金はプラス材料ですが、継続収入の代わりになるとは限りません。残高だけでなく、形成経緯や今後の収入見込みも確認されます。
申請はできますが、勤続が短いと収入の継続性を示しにくくなります。転職理由、同業種か、試用期間、雇用期間、給与水準を確認し、待つ方がよい場合もあります。
売上ではなく、確定申告上の所得や事業の継続性、納税状況が重要です。経費計上後の所得が低い場合は、生活費との整合性も説明できるようにします。
永住申請では、在留歴、収入、税金・社会保険の納付状況、転職歴、出国歴などを確認し、申請内容に矛盾がないよう説明する必要があります。行政書士に依頼することで、次のようなサポートを受けられます。
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